3/8(土)は阪神競馬場でフィリーズレビューが開催されます。2024年は11番人気エトヴプレが逃げ切り、1番人気のコラソンビートが2着。3連単は19万円の中荒れの結果となりました。このレースはチューリップ賞の翌週に開催されるため、毎年短距離志向や実績がもう一歩の馬が集まりやすいレースとなっています。
フィリーズレビュー2025注目馬
ショウナンザナドゥ
阪神JFでは4着になったショウナンザナドゥ。年明け初戦のクイーンCでは直線伸びず9着。近親ミスエルテがファンタジーSを勝利しているように、本質的にはマイルより1,400m向きの馬なのかもしれません。鞍上は池添Jが継続騎乗。実績は出走馬でもトップですから、ここは勝利を(最低でも権利を)取りたいところでしょう。
ランフォーヴァウ
デイリー杯2歳Sを勝利したランフォーヴァウも、春初戦はここを選択しました。阪神JFは初の多頭数レースも影響してか11着。デイリー杯のメンバーが小粒だったのでその実力を疑問詞する声もありましたが、デイリー杯2着のドラゴンブーストが京成杯でも好走しているので、けして低レベルなレースではなかったのでしょう。鞍上は坂井瑠星J。福永祐一厩舎初のクラシック制覇に今一番近いのは、おそらくこの馬かもしれません。
リリーフィールド
もみじ賞を快勝して臨んだ阪神JFは、1400m戦のようなペースで先行してしまったことが影響して12着。レースを見ても本来はもう少し短距離向きなんだろうなという印象を受けました。函館2歳Sで見せたゲートの不安定さは、ここ2戦見せていません。1400mに戻る今回も、鞍上は武豊Jが継続騎乗。自らのレースが作れれば、ここでも好走できる存在でしょう。
インプロぺリア
11月のデビュー戦の走りは大物感たっぷりでした。1戦1勝の身の為まずは抽選突破することが重要ですが、鞍上は引き続きルメール。雄大なフォームで走るタイプなので、ぜひ良馬場を希望したいところでしょう。全姉サブライムアンセムが制したこの舞台で、妹のインプロペリアも好走できるでしょうか。ここで勝つようなことがあれば、一気に桜花賞馬の有力候補になる気がします。
第5回名馬クロニクル フィリーズレビュー編
日本競争馬の名前は、「2文字以上9文字以内でなければならない」というルールがあります。わずか9文字の中に、愛馬へ思いやそのルーツを示すのは簡単な様でとても難しいことです。我々競馬ファンも一度は自分が付けたい馬名を考えたことがあるはずです。
今回は歴代フィリーズレビュー勝ち馬のなかで、最も名前が美しいと思う馬をピックアップします。
その名は、カラクレナイ です。
2017年フィリーズレビュー
2016年10月京都競馬場でデビューしたカラクレナイは、初戦こそ敗れますが未勝利→500万下と2連勝し2歳シーズンを終えます。スタートが苦手ながらも、桁違いの瞬発力で他馬を抜き去る走りはとても豪快で、3歳クラシックでも活躍を期待させる存在でした。
3歳シーズンは桜花賞を大目標に、フィリーズレビューから始動します。レースは後の桜花賞馬レーヌミノルが1倍台の支持を集め、カラクレナイは2番人気、デイリー杯2歳Sを制したジューヌエコールが3番人気となりました。
スタートはまたも出遅れたカラクレナイは、後方2番手からレースを進めます。アズールムーンらが作ったハイペースで先行勢は苦しい流れになり、4コーナーでは馬群が一気に凝縮。カラクレナイは大外から馬群を一気にとらえ、直線でグングン脚を伸ばします。内から先に抜け出したレーヌミノルがひとつ前に出たところを、外からカラクレナイが捕らえ勝利。待望の重賞初勝利を掴みました。4戦3勝でトライアルを勝利したことで、桜花賞の有力候補に名乗りを上げることになりました。
その後は短距離路線へ
桜花賞でも末脚を爆発させますが、距離が長かったのか4着。続くNHKマイルでは気性難を露呈してしまい17着と大敗します。その後は引退まで1200~1400mを使われ、5歳時にはバーデンバーデンC(OP)を勝利するなど長く短距離路線のバイプレーヤーとして活躍しました。
引退後は繁殖牝馬になり、2022年には父ブリックスアンドモルタルの仔を産んでいます。爆発的な末脚が子供たちにも受け継がれてほしいなと思います。
その名は”唐紅”から
カラクレナイの馬名を調べると、”唐紅,濃い紅色より”と記されています。血統表に目を向けると、母母:レッドチリペッパー→母:バーニングレッドの文字があり、代々赤に因んだ名前が付けられている事がわかります。
唐紅はただの紅色ではありません。特別鮮やかで、特別濃い紅色を指す言葉だそうです。現役時代の彼女と重ねると、豪快な末脚で他馬を飲み込む走りは実に鮮やかで、母母譲りの豪脚が引き継がれていることからは何者にも染まらない濃く赤い血を感じさせます。
個人的には、不器用な走りにヤキモキさせられたことが多々ありました。馬券の相性も非常に悪かったと記憶しています。ただ己のルーツを示すその姿は、競馬の大切な部分を表していたんだと、今となっては尊く思えます。
古今和歌集には「千早ぶる 神代もきかず 龍田川 からくれなゐに 水くくるとは」という歌があります(※1)。カラクレナイが染めた川は龍田川ではなく仁川でしたが、その走りは古来の和歌をも思われる鮮やかな赤を表していた。せっかくですから、そう思いたいものです。
出走馬が18頭いれば、18個の大切な思いが走っているのです。
(※1 訳:さまざまな不思議なことが起こっていたという神代の昔でさえも、こんなことは聞いたことがない。龍田川が(一面に紅葉が浮いて)真っ赤な紅色に、水をしぼり染めにしているとは。(引用:https://ogurasansou.jp.net/columns/hyakunin/2017/10/17/1039/)
フィリーズレビュー メッシの注目馬
本命はスライビングロードだよ。
前走クイーンCは直線で他馬に寄られて怯んだけど、最後は立て直して伸びていた。コートアリシアンとクビ差、マディソンガールには勝っているわけで、牝馬同士なら十分実力上位だよ。
今回は外枠に入ったし、直線不利なく外をぶん回せば未勝利戦のような快勝を期待できるさ。安心して任せてほしい。
◎スライビングロード 単複