弥生賞ディープインパクト記念2025

3月9日(日)は、中山競馬場で弥生賞ディープインパクト記念が開催されます。昨年は6番人気コスモキュランダが勝ち、2着シンエンペラー、3着シリウスコルトという中荒れの結果となりました。皐月賞トライアルのメインと言えるこの1戦。本番の主役となる馬は現れるでしょうか。

メッシ
毎年思うのよ。
「弥生賞」だけのほうが良かったわ。って。

弥生賞2025 注目馬

ジュタナグルファルに注目が集まっているので、それ以外の4頭に注目しました。

クラウディアイ

京都2歳Sで3着になり、その後出走したG1ホープフルステークスでは出遅れながらも5着と好走したクラウディアイ。キレる脚はありませんが、しぶとく脚を使えるのがこの馬の長所のようです。父サートゥルナーリアはここを快勝して皐月賞に駒を進めましたので、父と同じ舞台に進めたらいいなぁと思っています。肝心のスタートさえしっかり切れば一列前でレースが出来るはず。それさえ叶えば、馬券圏内は十分あり得ると思います。

ヴィンセンシオ

前走葉牡丹賞は、坂の手前で先頭に立つと、直線で競りかけてきたゲルチュタールリトルジャイアンツに抜かせない根性を見せ勝利。並ばれそうになってからもう一度前に出る当たり、着差以上に余裕のある勝利だったようです。2戦2勝で迎える弥生賞ディープインパクト記念は、鞍上にルメールをセット。リアルスティール×シーリア(母シーザリオ)の血統からもクラシックは意識せざるを得ません。右回り、直線の坂、距離、どれもクリアして臨むこの今回は非常に楽しみな1頭です。

ミュージアムマイル

未勝利→黄菊賞と連勝で臨んだ朝日杯FSは、スタートで若干出遅れましたが終始内々を回る器用な走りを見せました。アドマイヤズームからは離されるも、それ以外は完封して2着になり、力のあることを示しました。ここにきてまた中距離に戻してくるのは、マイルだとキレ負けするからか?それとも使い分けか。それは今回の結果で明らかになるかもしれませんね。鞍上は3走ぶりに幸Jに戻ります。

アスクシュタイン

クローバー賞を圧勝して一躍注目を集めるも、札幌2歳Sは重い馬場でスタミナを使い果たし敗戦。ホープフルステークスではスタート後に挟まれる不利があり、先行することが出来ませんでした。直線で差を詰めての6着でしたので、不利が無く前々でレースが出来ればここなら好走してきそうな気がします。鞍上は横山武史J、もしかしたら逃げる…かも?

 

メッシの注目馬はここ

第7回名馬クロニクル 弥生賞編

G1馬となると大舞台での勝利の印象が強く、たまに「あ、この重賞も勝ってたんだ」と思わず見落としていたレースもあります。今回取り上げる馬はまさにそれで、なんとなく遅咲きの印象があったからかすっかり忘れていました。

今回取り上げるのは1999年の弥生賞、ナリタトップロードです。

1999年弥生賞

1999年。世紀末を迎えた世界は、ノストラダムスの大予言が当たるか否かで俄かにざわつき始めていました。まだホープフルステークスがOPレースだった時代のことです。当時、2歳牡馬の最大目標は朝日杯FSとG3ラジオたんぱ杯3歳Sでした。特にクラシックを目指す馬にとって、ラジオたんは杯を制することは重要で、制した者は自然とクラシック主役のオーラを身に纏いました。

この年の弥生賞は、そのラジオたんぱ杯を制したアドマイヤベガが1.5倍で1番人気。きさらぎ賞を制してここに臨んだナリタトップロードは2番人気、3番人気はトウカイダンディーでここまでが一桁オッズ。4番人気はマイネルシアター(20倍)、5番人気はタイキヘラクレス(20.4倍)となり、3強の様相を呈したレースとなりました。

緊張の一戦

レースはアストラルブレイズが逃げてレースを引っ張る展開に。前半1000mは61秒とミドルペースで流れ、トライアルらしく緊張感のあるレースとなりました。

ナリタトップロードは終始外を回りながら徐々にポジションを上げ、3~4コーナーでは3番手付近まで上がって来ます。一方アドマイヤベガは、じっと後方で脚をため、人気2頭は対照的なレース運びを選択しました。淀みのない展開に先行勢は4コーナーで苦しくなり、人気を集めたトウカイダンディーも脚が鈍ります。

唯一手ごたえの衰えなかったナリタトップロードは、直線でアストラルブレイズらを一気に抜き去ります。馬群に藻掻くライバルたちに別れを告げ、ゴールに突き進むナリタトップロード。そこから遅れること5馬身、最後方から忍び寄るのはアドマイヤベガです。末脚を爆発させ、抜け出したトップロードとの差をどんどん縮めていきます。そして先頭のナリタトップロードまであと1馬身となったところ、そこがゴールでした。3着にマイネルシアターが入り、結局は人気上位で決着。実に見ごたえのあるレースでした。勝ったナリタトップロードはこれで重賞2連勝。1999年クラシックの主役へと名乗りを上げたのです。

世紀末覇王の出現

皐月賞制覇を目指すナリタトップロードに立ちはだかったのは、アドマイヤベガでありません。追加登録料を払って出走したあの馬でした。皐月賞は、後に世紀末覇王と呼ばれた名馬テイエムオペラオーにタイム差無しの3着に敗戦。雪辱を果たすべく出走したダービーでは、武豊のアドマイヤベガにクビ差差し切られ2着。春の2戦はどちらも悔しい結果となり、クラシック制覇のチャンスは菊花賞を残すのみとなります。

その菊花賞では、最内枠からレースに臨み直線早めに先頭に立つと、テイエムオペラオーや伏兵ラスカルスズカの追撃を抑えて見事勝利。ついにG1馬の仲間入りを果たします。その後は天皇賞春で3年連続3着など、長距離G1常連として6歳まで現役を続けます。渡辺薫彦J(現調教師)とのコンビでもう一度G1を勝ちたかった、そう思うファンはたくさんいることでしょう。特にテイエムオペラオーの出現は、「生まれた時代が悪かった」その言葉に尽きます。

現役引退後は種牡馬入りし、産駒のベッラレイアはフローラステークスを制するなど、クラシックで活躍しました。

主役はいつもここにいる

過去の弥生賞を振り返ってみても、結局ここを勝利した馬がクラシックの中心にいるんだなと思いました。最近では早い時期に賞金を加算し、皐月賞に直行する馬が増えていますが、王道ローテの第1戦は今も昔も弥生賞なのです。今年はクロワデュノールが例に違わず皐月賞直行を明言しています。早くも2冠はクロワデュノールで間違いない!という空気が漂っていますが、そこに一石を投じる存在が、週末の中山競馬場で生まれるかもしれません。

いつだって王道は弥生賞からなのです。

 

 

メッシの本命

メッシ

本命はアスクシュタインだよ。

ここ2走は馬場やスタート後の不利もあって、本来の力を発揮できてないね。

でも安心してほしい。ここに掛ける陣営の思いをくみ取ると、武史が燃えないわけがないのさ。同世代のトップレベルとやり合った経験が、ここで活きてくると確信しているよ。

◎アスクシュタイン 単複

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